ブランド開発ストーリー│家具工場が木の玩具を作った理由。

コラム

知育のその先へ

今と未来に向けた木工製品をつくりたい!そんな想いから開発がはじまったきみたつシリーズ。実現するまでには様々な課題がありました。

 

家具屋が雑貨をやるのは「あるある」

家具工場が雑貨をするのは、「あるある」です。突然何を作ろうかと考えても、どうしてもどこかで見たような二番煎じのアイテムばかりが思いついてしまいます。

さて、出だしでつまづいてしまいました。

 

ヒントは夏休みの思い出

木工所に生まれた僕は、毎年夏休みの工作は木で好きなものを作っていました。
とある年、僕は木で街を作ろうと思いました。でも、うまくノコギリが使えません。カドはガタガタ、接合面もまっすぐ切れていないのでボンドが上手くくっつきません。
その時に、父がノコギリの使い方をどうすれば良いのか、実際にやって見せてくれました。それをマネして何度もトライし、失敗し、街が完成しました。ぐちゃぐちゃの街でしたが、父は褒めてくれました。その時なぜか、めちゃくちゃ嬉しかった。そしてすごく自分のことを誇らしく思えたのを覚えています。
あのとき、父が代わりに作ってくれていたら、ただホッとして終わっていたと思います。自分の手で完成させたからこそ「できた!」という自信が持てたのです。

この原体験を思い出したとき、「代わりにやってしまう」ことより、「そっと背中を押してあげる」こと。それが今の子どもたちには必要だと確信しました。

 

 

その体験を実現できる玩具をつくる

世の中には、どんな知育玩具があるのか探しました。確かに頭と手を使うものは沢山ありましたが、ただの知育玩具ではなく、遊びを発明できたり、トライアンドエラーができる玩具はほとんどありません。しかもどれもこれも海外製品です。

じゃあ、自分達で作ってしまえばいい。

何度挑戦しても良くて、子ども達なりの正解を大人が褒めてあげられる環境をつくれる。そんな木のおもちゃです。

 

子ども達に『つくる勇気』を

正解が一つしかなくて、他の可能性を潰してしまうよりもその子なりの答えを持てる。発表できる。他人に見せて、使ってもらって評価してもらう。そんな経験こそ、こども達の自信につながると私達は思っています。
コンセプトは「あそび、発明。」自由に遊びが発明できて、自分なりの正解が持てる。そんな製品をいっぱい作ろうと考えました。

「きみたつメイロ」の誕生

ブランドを体現するアイテムとして、きみたつメイロを開発。自分でオリジナルの迷路を作って遊ぶことができます。
材料は国産のヒノキを主材に、普段家具を加工するための精密機器で加工。最後は職人が丁寧に仕上げをしています。

子どもたちに遊ばせると、まさに多様な遊び方をしてくれます。ひたすら板を差し込んだり、考えつかないようなユニークなルールを設けた迷路を作ったりドミノをしたり。まさに、遊びを発明していました。となりで見守る大人も、我が子の意外な遊び方に驚きつつも楽しんでくれています。まさにこの景色を見たかった。そう思ったのを覚えています。

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