非認知能力を育てる、たった2つの重要なこと。

2020.07.31
非認知能力を育てるたった2つの重要なこと

非認知能力=勇気

みなさん、こんにちは。
様々な企業のブランディングに携わり、木育インストラクターの資格を取得。
そしてここ神戸市北区道場の地に戻ってまいりました、松崎裕太と申します。
さて早速ですが最近よく耳にする”非認知能力”。
私は賢さや記憶力よりも、より子どもたちの未来の生きる力に直結する能力だと考えています。
先に結論をお伝え致しましょう。
非認知能力とは、一言で言えば、勇気のパラメータです。
もう少し具体的に申し上げると、子どもが自分から学ぼうとしたり、失敗を恐れず何度も継続的に努力できる「心の土台」なのです。

「いや、どういうこと?」

そう思われた方、ご安心ください。下記で詳しく解説致します。

冒険する子ども

子どもたちの未来を生きる力。フューチャースキル。

非認知能力はフューチャースキルとも呼ばれています。
フューチャースキルとは、心の土台となる総合的な人間力のことをいいます。
総合的な人間力とは

◆創造力・・・新しいものをつくりだす能力。 解答が1つだけではないような課題における問題解決能力。
◆発想力・・・アイデアを生み出す力。
◆自信・・・自分の価値、能力を信じる力。
◆決断力・・・自身の判断、責任で意志を決定する能力。
◆忍耐力・・・不都合なことをされても、正しく対処できる能力。
◆自制心・・・誘惑や衝動に直面したときに、自分の意思で行動を抑制できる力。
◆やり抜く力・・・目標に対してひたむきに取り組む力。
◆対処能力・・・起こったことに対して適切な処置をとれる能力。
◆精神的安定性・・・自身が不安になっている、イライラしていると俯瞰できる能力。
◆コミュニケーション力・・・対人的なやり取りにおいて、お互いの意思疎通をスムーズにするための能力。
などを指します。

これらの土台(総合的な人間力)がしっかりしている子は、失敗を恐れず自分から挑戦しようとし、達成するまで諦めない粘り強い子に育ちます。
逆にこれらの土台がしっかりしていない子どもは、「自分はこれとあれが出来ない」とはじめから諦めてしまいがちで、予想外の出来事や困難に立ち向かうことが難しく、伸び悩む可能性があります。
面白いことに、これらの土台と呼ばれている人間力は、IQとはほとんど関連性がありません。
頭が良くても土台がしっかりしていない子は「大人が求める正解」ばかりを気にしてしまい、いざ世の中に飛び出たとき、正解が無いこと自体にたじろいでしまい、挑戦する前に諦めてしまうのです。

詳しくは非認知能力の提唱者でもあるジェームズ・J・ヘックマンの「ペリー就学前プロジェクト」が有名ですので、こちらの記事をご参照いただければと思います。

“「幼児教育」の重要性 ①ペリー就学前プロジェクト”



非認知能力を高めるには?

では、その土台をしっかりさせるためには具体的に何をすれば良いのか。
キーワードは、たった2つです。
1つは自己肯定感
もう1つはモチベーションです。
ひとつひとつ詳しく説明致しましょう。

まずは、自己肯定感です。
自己肯定感とは、自分の価値や存在意義を肯定できる感情です。
もっと簡単に言うと「ぼくは(わたしは)、存在していていいんだ。世界に愛されているんだ。」と思える感情のことです。

そんな自己肯定感を育む唯一のポイントは愛着です。
愛着とは心理学において、他人や動物などに対して築く特別な情緒的な結びつき、とくに幼児期までの子どもと親や保育者との間に形成される関係を中心とした情緒的な結びつきのことを言います。
愛着は形成することで成り立ちます。

愛着形成の方法(0才から大切なこと)※特にお父さん!読んでください。

愛着形成にはいくつかの具体的な手法や条件がありますのでご紹介しましょう。

仲良し夫婦

お母さんが「幸せ」であること

何よりもお母さんが幸せであることが最重要と言っても過言ではありません。

ポイントは「授乳」
実は科学的にも母乳が赤ちゃんにとって最高、最適な食事であることが解明されています。
赤ちゃんに母乳をあげると、まず母親の血中にオキシトシンが分泌されます。オキシトシンが母乳を通して赤ちゃんの体内に入ると、赤ちゃんはリラックスして幸せな気分になります。すると、赤ちゃんもオキシトシンを分泌しやすい体質に変化していくのです。
ただ、「母乳が少ない」「母乳がでない」という悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。
ミルク混同、ミルクだけの授乳でもできるだけたっぷりの時間で密着して授乳すれば、胎内で親しんだ心臓の鼓動を聞きながらミルクを飲むことができ、オキシトシン効果で赤ちゃんは安心感と幸福感に包まれます。これが「親の愛情を実感する」メカニズムなのです。
母乳、授乳は神話でなく、様々な文献、資料、科学的根拠を参照すればするほど、授乳におけるお母さんの役割の重要さが明確になっています。

ここで重要になるのが、父親の存在です。
お母さんの旦那さんですね。
父親がするべきことは、スバリ「妻への全力サポート」です。
全力です、1%足りとも手抜きしてはいけません。授乳している妻と子を見て「お母さんってすごいなぁと」微笑ましく思っている場合ではないのです。「お母さんと子どもの時間」をつくるために全力サポートするのが父親の唯一出来ることであり、やるべきことです。

具体的な手法は2つです。1つは家事を全部やること、赤ちゃんをお風呂に入れること、買い物を済ませること等です。ここは夫婦で相談しあって決めましょう。

もう1つは傾聴することです。
部屋が汚くて、片付いていない状態は、お母さんもイライラします。「片付けすらも出来ないなんて・・・」と自分自身を責めてしまうこともあります。※間違っても帰宅して「あれ?部屋汚くない?」とか言ってはいけません。
でも、その片付けすらも満足に出来ないのがお母さんの状態であることを父親(夫)は理解して、じっくり妻の話を聞いてあげてください。

お母さんである妻を幸せな気持ちにさせられるのは、夫であるあなただけなのです。全力で向き合いましょう。
(著者である私も男性です。一緒に頑張りましょう。)

目を合わせる。スキンシップをする。

オキシトシンの分泌は、抱っこしたり、膝の上に座らせたり、添い寝したり、手足をマッサージしたり、頭や肩や背中をなでてあげたりという肌と肌の触れ合い(スキンシップ)によって促進されることが分かっています。
スキンシップは、子どもの脳が活発な日中よりも、副交感神経が優位になる夕方以降が効果的であることが分かっています。子どもが眠くなってきた時、お風呂上がりでリラックスしている時などにマッサージをしてあげると、たとえそれが短時間でも、子どもにしっかりと愛情を伝えることができます。
ここで大切な点は、「目を合わせながらする」ということです。例えばスマートフォン等を見ながらスキンシップをしてもオキシトシンが十分に分泌されないことが判明されています。

子どもに共感する

子どもが何か見ていたり感じていたら、共感してあげる。

まだ言葉を話せない段階であっても、何を見つめたり「お~」「う~」と声をあげていたら積極的に子どもに話かけてあげましょう。
意味の無い行動のように思えるかもしれませんが、これも愛情形成には欠かせないことなのです。
言葉を話せない段階であっても、赤ちゃんは見たものや聞いたことを記憶したり、口に出してアウトプットしようとします。特に赤ちゃんは「自分に話しかけられている」ことに幸せを感じるようです。

赤ちゃんにとって、この世界は見るもの聞くこと全てが初体験です。「こんなことがあったよ!」とお母さんやお父さんに話しかけているので、それにちゃんと反応してくれると「自分の話を聞いてもらえている」と感じるのです。

不安や怖いことから守る。

風の音やいつもと違う天気、なんとなく不快な感覚や眠たくなる感覚ですら、赤ちゃんにとっては絶望的な不安になったりします。
そうして泣いてしまっているときは、根気よく抱きしめて、不安を取り除いてあげましょう。

ちなみに「抱っこ癖」という言葉がありますが、3才以前においては、いくら抱っこしても癖はつかないと科学的に証明されていますので、思う存分に抱っこしてあげましょう。
そもそも「抱き癖はよくない」という考え方は、昭和30年代に日本中に広まりました。原因は当時の育児書のベストセラー『スポック博士の育児書』(ベンジャミン=スポック・マイケル=B=ローゼンバーグ著)といわれています。この育児書は、「大人中心の育児法」といわれ、大人の都合に子どもを合わせていく考え方が採られており、その世代の中で、いまだに「抱き癖はよくない」という間違った考えを持ってしまっている人がいるようです。
逆に抱っこしない状態が続くと赤ちゃんはある時から甘えたい気持ちを自分の心の中から追い出して無表情になる、いわゆるサイレント・ベビーという状態に陥ります。
一見手がかからない良い子に思えますが、潜在的な無意識下で怒りや悲しみを蓄積してしまう癖がつくので、成長してから様々な心のトラブルとして表面化する可能性があるのです。
ただ、すでにサイレント・ベビーの状態であったとしてもご安心ください。
たっぷり抱いたりあやしたりすることによって、少しずつ感情の交流が芽生え、赤ちゃんからのサインも豊かになっていきます。

挑戦を歓迎する

子どもは大きくなるにつれて、いたずらをしたくなります。
つい、いたずらには叱ってしまいそうになりますが、子どもにとっていたずらは「壮大な実験」です。
「ティッシュを最後まで抜ききったらどうなるだろう?」「これを破いたらどんな音がなって、どうなるんだろう?」と溢れんばかりの好奇心で実験をしているのです。
それを大きな声で叱られてしまうと、せっかくワクワクしながら実験していたことを中断させられてしまうので「怒られるし、もういいや」と挑戦しようという気持ちが萎んでしまうのです。

「かといって、いたずらされたら実際大変!」
そうですよね。
そのために玩具があるのです。
世の中にはいたずらし放題の玩具がたくさんあるので、子どもが気に入ったものから選んでその子なりの壮大な実験道具をつくってあげれば、お母さん、お父さんが被害に合わず、更に子どもの愛着形成にも繋がります。

※ただし、子どもや他人の生命に関わることだけは即座に叱る必要があります。

これらの愛着形成により、子どもは自己肯定感を高めることができます。

モチベーションを保つ方法

自己肯定感ともう1つ大切な要素がモチベーションです。
モチベーションとは、目標に向かって行動を起こし、達成するまでその行動を持続させる心理的な過程といわれています。
そんなモチベーションを育むための重要ポイントは自律性を尊重することです。

自律性とは、言われたとおりやるだけでなく、自分で考え、自分で自分を管理できる能力を指します。自分の行動の源泉は自分であるという認識ともいえますね。

「自律性を尊重する」とは、具体的にどういったことをすれば良いのか、2つの方法と心構えをお伝えしましょう。

子どもをコントロールしようとしない

1つ目はズバリ「手を貸さない・口出ししない」ことです。
もっとわかり易く言いかえれば「期待しない」ことが大事です。
我が子に期待をかける。つまり「こんな子に育ってほしい」「いい学校に行ってほしい」「こんな職業についてほしい」と考えてしまうと、自然と子どもをコントロールしようとしてしまうのです。

ただ、「放任しましょう」ではありません。
子どもにはコントロールできない部分があるという事実を認識して、その事実を受け止めつつ子どもの好奇心をかきたてる環境を整えてあげましょう。そして、その上で結果を求めず、どんな結果であれ努力を認め、努力した気持ちをこれでもかと褒めてあげてください。

この努力を褒めるというのが、モチベーションを保つ上で最重要です。
結果を褒めてしまう(具体的には「いい点数がとれた」等が代表的)と子どもは結果の為に努力をします。「いいスコアが取れないと自分の価値がなくなる」と思ってしまうのです。

一方で努力を褒めること。例えば、親が期待していない玩具の遊び方をしたいたとき「こんな遊び方もあるんだね。よく見つけたね、すごいね」と褒めたりすると子どもは「自分なりの正しいと思ったことに挑戦していいんだ」と感じます。あからさまな失敗を起こしたときも、「結果的にこうなっちゃったけど、ここを凄くがんばったよね」と努力したことを褒めてあげれば失敗を恐れることもなくなります。「失敗しても、この人だけはがんばりを認めてくれる」と思い、そこで勇気が育まれるのです。
前記でも書いていますが、この努力を褒めるというのが、モチベーションを保つ上で最重要であることは、再度お伝えします。

赤ちゃんと選択肢

選択肢をあたえる

自律性を尊重することの2つ目の重要な要素は、選択肢を与えることです。
0才からでもこの要素は大切です。例えば玩具を与えるときも、親が持ってくるのではなく、子どものそばに2つか3つの玩具を用意しておき、それを子ども自身が自分の好きなタイミングで選択することが大事なのです。
ある程度成長した子にも、例えば「遊んでから勉強するか、勉強してから遊ぶかどっちにする?」といったふうに選択をさせることで、「自分が自分のコントロールをしている」ことと「自分で決めたからやり切りたい」という気持ちが生まれます。

大人でも同じです。命令されたからやるというのは、(私もそうですが)まったくやる気がおきないですよね。

こうして選択肢をあたえて遊ばせたり、学ばせたときに先程の「努力を褒める」ことが役立ちます。

まとめ

非認知能力とは、心の土台です。

そして、総合的な人間力のことを指します。

そしてその非認知能力を高めるのに重要なポイントは2つ。

自己肯定感とモチベーションです。

これからの時代は、更に膨大な情報の取捨選択やテクノロジーの進化の渦に巻き込まれていくことは確実です。
そんな激動の時代の中を「楽しく」「強く」生きてほしい。

そんな願いを込めて本記事を執筆致しました。

参考出典
newspicks 【完全解説】子どもの才能が科学的に伸びる、子育ての原則
幼児教育の経済学 ジェームズ・J・ヘックマン
0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす! 藤崎 達宏

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